NVIDIAは2026年9月16日に、生成AIを活用して大気汚染を詳細に予測する手法を公開しました。マンチェスター大学の研究チームが、NVIDIAの「Earth-2」ファミリーのモデルを用いて、英国全域を対象とした高解像度な予測モデルを構築しています。
従来の化学モデルを用いた大気質計算は、膨大な計算コストを要するため、詳細な予測や頻繁な実行が困難でした。これに対し、研究チームはNVIDIAの生成AIフレームワークを活用することで、この課題の解決を図っています。具体的には、生成ダウンスケーリングモデル「Earth-2 CorrDiff」を、英国の国家AIスーパーコンピュータ「Isambard-AI」上で学習させました。
このモデルは、1年分にわたる1時間間隔の英国の汚染データを使い、2〜3平方キロメートルの解像度で英国全域の汚染状況をモデル化しています。学習には8基のGPUを搭載したIsambard-AIのノードを使用し、わずか2日間で完了しました。さらに、大気観測データから時系列の予測を可能にする「Earth-2 StormCast」も追加されています。
この技術は、スーパーコンピュータだけでなく、デスクに置けるサイズの「DGX Spark」でも動作します。研究チームは、このワークフローをオープンソースとして公開し、世界中の国や都市が独自のローカルデータを用いて詳細な汚染モデルを構築できるようにすることを目指しています。
今後の展望として、研究チームは解像度をさらに高め、街区レベルでの予測を可能にすることを目指しています。また、喘息などの疾患を持つ患者に対し、地域の汚染予測に基づいて医療機関から通知を行うといった、ヘルスケア分野への応用も検討されています。
