OpenAIは2026年9月17日、法律事務所やリーガルテック企業向けの新基盤「Astra for Law」を発表しました。最新モデルのGPT-6 Astraに、法律専門の検索インデックスや分析・執筆用の指示を組み合わせた、法律実務に最適化された基盤です。
法律リサーチの精度が大幅に向上
Astra for Lawは、米国の判例、法令、規則、行政決定をカバーする強力な法律検索インデックスを活用できます。このインデックスは、2億3000万件以上のURLからなるコーパスを対象とし、毎日新しいソースが追加されます。これにより、判例の特定や関連条項の把握といったリサーチ業務を支援します。
リサーチ能力の検証では、従来のGPT-6 Astraによるウェブ検索と比較して、正答率が40%向上したことが示されています。また、判例に関する質問では、参照すべき判例の提示数が24%増え、関連する条項の抽出数も最大54%増加しました。これにより、戦略立案や紛争評価における信頼性の高い根拠の提示が可能になります。
既存ツールとの連携と高度なカスタマイズ
Astra for Lawは、RelativityやClioといった既存の専門ツールと接続できる26の新しいプラグインを提供します。これにより、法律事務所は現在使用しているワークフローを維持したまま、AIの機能を組み込むことが可能です。さらに、ChatGPT for Wordも一般提供され、文書の校正や編集の提案、書式のチェックが行えるようになります。
セキュリティとガバナンスの強化
機密性の高いクライアント業務に対応するため、プライバシーとガバナンスに関する管理機能も拡充されています。対象となる法律事務所には「Trusted Access Program」が提供され、API利用時のデータ保持をゼロにする「Zero Data Retention (ZDR)」や、ChatGPT Enterpriseにおけるデフォルトでの人間によるレビュー除外といった制御が可能です。これにより、事務所独自の専門知識や手順を、安全な環境でAIツールへと変換できる体制を整えています。
