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分子研、日本初のフルスタック中性原子量子コンピュータ「春海」を稼働

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自然科学研究機構 分子科学研究所は、日本初となるフルスタック中性原子量子コンピュータ「春海(しゅんかい)」の開発に成功し、稼働を開始したと発表しました。中性原子方式を採用したこのシステムは、世界でも数少ないフルスタックの構成を実現しています。

中性原子方式による量子計算の実現

中性原子方式は、原子1個1個を量子ビットとして用いる技術です。室温での動作が可能で、計算中に原子を移動させることで任意の量子ビット間に量子もつれを実現できるほか、量子ビットの数を増やすことが比較的容易であるといった特徴があります。

「春海」は、ユーザーの入力を計算装置の駆動信号に変換し、計算を実行・出力するために必要な複数のレイヤーを統合したフルスタックシステムです。内部では、レーザー光を集光させた「光ピンセット」によって原子量子ビットを捕捉し、マイクロ波やレーザー光を照射して計算を行います。計算結果は、カメラを通じて原子1個1個の蛍光を観測することで読み出します。

産学連携による開発と今後の展望

本システムの開発は、産学の連携によって進められました。分子研が中心となり、株式会社日立製作所がソフトウェアスタックを、米国Infleqtion社が量子処理ユニット(QPU)スタックをそれぞれ共同で開発しました。

稼働初期段階では50量子ビット程度を使用し、その後500量子ビット程度まで規模を拡大する予定です。将来的には、2030年度までに10,000物理量子ビットを実装し、外部ユーザーが利用可能な量子誤り検出・訂正機能を備えた大規模なシステムの実現を目指しています。

発表元: https://www.ims.ac.jp/news/2026/08/0824.html