Amazon Web Servicesは2026年9月22日、Trane TechnologiesがAmazon Bedrock AgentCoreを用いて構築したAIエージェントの事例を公開しました。同社は、従来20分以上を要していた複数のダッシュボードを横断する診断ワークフローを、自然言語による対話だけで20秒に短縮したとしています。
Trane Technologiesは、Amazon Bedrock AgentCoreとStrandsフレームワークを活用し、わずか3〜4週間でAI駆動のエージェントソリューションを構築しました。同社の内部ベンチマークによれば、これにより知見を得るまでの時間が60倍向上したとしています。この成果により、業務の性質を「事後対応」から「データに基づく予防的な最適化」へとシフトさせることを目指しています。
このソリューションは、役割ごとに特化した複数のエージェントによるマルチエージェントアーキテクチャを採用しています。具体的には、リファレンス資料を要約する「Resources Assistant」、技術的な回答を合成する「Knowledge Assistant」、リアルタイムのテレメトリから効率化の機会を見出す「Analytics Insights Assistant」、製品選定を支援する「Expert Advisor」、必要なリンクやツールを返す「Navigation Assistant」の5つで構成されています。
設計においては、エージェントのロジックとツールの実行を分離し、リアルタイムのテレメトリを中央集権的なツールゲートウェイ経由で統合しています。また、ユーザーの権限やニーズに合わせて回答を調整する仕組みも備えています。これにより、現場技術者から管理職まで、それぞれの役割に適した情報へのアクセスが可能になります。
システムは拡張性を重視した設計となっており、AgentCore Gatewayを介して、ワークオーダー管理システムやCRMなどの外部システムと接続できる構成です。また、Model Context Protocol(MCP)のようなオープン標準にも対応しており、将来的なAI機能の進化や、他の建物システムへの展開を見据えた設計がなされています。
