2026年8月21日、Amazon Web ServicesはAIエージェントが内部ツールやデータにアクセスするための中央集権的なガバナンスを提供する「Amazon Bedrock AgentCore Gateway」の利用方法を紹介した。これにより、組織はエージェントの動作を一元管理し、セキュリティリスクを低減できる。
AIエージェントのアクセス管理における課題
AWSは過去数ヶ月間の顧客との対話において、AIエージェントがどのデータにアクセスでき、誰が権限を与え、資格情報が漏洩した場合の影響が不明確であるという共通する懸念を指摘している。MCP(Model Context Protocol)に対応したアシスタントが内部ツールと接続する場合、資格情報の分散やポリシーの乖離、監査ギャップといった構造的な問題が発生しやすい。
AgentCore Gatewayによる一元管理の実現
この課題に対してAWSが提案するのは、Amazon Bedrock AgentCoreの一機能であるAgentCore Gatewayだ。これはエージェントからのトラフィックに対する単一の安全なエントリポイントとして機能し、AgentCore Identityを用いて認証・認可・資格情報管理を統合する。さらにAgentCore Policyでセキュリティ制御を定義し、Bedrock Guardrailsで安全・プライバシー制御を追加できる。
成熟度に基づく段階的な導入アプローチ
AWSはガバナンスの導入を4つのスコープに分けた maturity journey を推奨している。まずScope 1ではSSO認証と資格情報の集中化を行い、CloudTrailによる監査ログを取得する。Scope 2ではCedarを用いたロールベースや属性ベースのアクセス制御(RBAC/ABAC)、PIIデータのリダクション、3LO同意などの制御を適用する。Scope 3ではツールカタログ機能を用いてチームが自律的にツールを発見・公開できるようにし、Scope 4では大規模ユーザー対応のためのフェイルオーバーやガバナンスダッシュボードなどを整備する。各スコープは独立した価値を持ち、必要に応じて順次進めることが可能である。
技術的な実装と展開
AgentCore Gatewayの構築にはAWSアカウントの権限、OAuth 2.0およびIAMの理解が必要となる。Gatewayの設定ではCognito-backed JWT authorizerを用いて認可を行い、Lambdaなどのターゲットを登録する。エージェントはセッションごとにCognitoトークンを取得し、Bearer認証でツールへのアクセスを行う。これによりバックエンドの資格情報はAWS外に漏洩せず、CloudWatch LogsやCloudTrailを通じてすべての呼び出しが記録される。
