Google Researchは2026年8月27日、地球規模の予測モデル構築を自律的に実行する実験的な研究機能「Planetary Prediction Engine(PPE)」を発表しました。このシステムは、データの探索からモデルの学習までの一連のワークフローを自然言語の指示に基づいて自動化します。
予測モデル構築を数週間から数分へ短縮
PPEは、これまで専門チームが数週間かけて手作業で行ってきたデータ収集や特徴量エンジニアリング、空間的な検証といった複雑なプロセスを、わずか数分に短縮します。従来のオートML(自動機械学習)とは異なり、地理空間データ特有のワークフローを自律的に処理できる点が大きな特徴です。ユーザーが自然言語でクエリを入力するだけで、システムが関連データの取得からレポート作成までを完結させます。
高精度な予測を実現する3つのモジュール
PPEは、LLM(大規模言語モデル)によって制御される3つのモジュールで構成されています。データ探索、特徴量エンジニアリング、モデルの学習と評価という各段階が独立して動作し、データ処理のボトルネックを防ぐ設計となっています。また、各段階の間ではデータの実体を直接プロンプトに含めない仕組みを採用しており、LLMのコンテキストウィンドウの制限を回避しています。
多角的な分野で性能を実証
実験では、公衆衛生や食料安全保障などの分野で高い成果が示されました。例えば、食料安全保障の予測において、地域レベルの解像度を上げることで、従来のベースラインと比較して精度(R²)が31.5%から66.1%へと倍増しています。また、コンゴ民主共和国におけるエボラウイルスの流行予測では、既存の最先端モデルを上回る精度を記録しました。これらは、統計的な変数と基盤モデルの埋め込み表現を組み合わせることで実現されています。
