ニュースリリースを伝えるニュースサイト

Metaが科学分析のリアルタイム化を支援するSAM 3とDINOv3を公開

,
MetaのSAM 3とDINOv3の技術を活用した、科学イメージングデータのリアルタイム解析プロセスを示す図解。

https://ai.meta.com/blog/genesis-mission-lawrence-berkeley-national-laboratory-segment-anything-dino/

Metaは、米国立研究所連合のプロジェクト「SYNAPS-I」に基盤モデルSAM 3およびDINOv3を提供した。これにより、X線や中性子ビームによる実験データの解析が、専門家の手作業からリアルタイムのAI処理へ転換される。

AIが科学発見を加速する

米エネルギー省(DOE)傘下の研究所群は、原子レベルから植物までを分析する大型施設で膨大なデータを生成している。検出器の性能向上によりデータ量は過去10年で桁違いに増加したが、従来の手作業による解析では追いつかなくなっていた。

この課題に対応するため、DOE主導の国家イニシアチブ「The Genesis Mission」の一環として、「SYNAPS-I」と呼ばれる多機関共同プロジェクトが進められている。これは複数の国立研究所が連携し、X線および中性子科学におけるデータ分析を数ヶ月かかるボトルネックから、リアルタイムの発見エンジンへ変革することを目的としている。

このパイプラインの中核には、Metaが開発した2つのオープンソース基盤モデルが採用されている。一つは画像内の物体に正確な境界線を引く「Segment Anything Model 3(SAM 3)」、もう一つはラベル付けなしで画像の構造を学習する自己教師ありビジョンモデル「DINOv3」である。

両モデルを組み合わせた手法により、科学者は実験中にリアルタイムで解釈可能なデータを得られるようになった。具体的には、DOEビームラインで収集された科学イメージングデータを用いてモデルを微調整し、国家スーパーコンピュータ施設に搭載された300台のA100 GPU上でデプロイした。

これにより、実験中に物理的に装置の前にいる科学者へ、セマンティックにラベル付けされた3Dボリュームが約15分で戻される。従来は各タイムステップで専門家の注釈に1ヶ月を要していた作業が、わずか15分で完了するに至った。

このパイプラインのデモンストレーションでは、ブドウの木が干ばつに対して細胞レベルでどのように応答するかという農業課題が扱われた。マイクロCTスキャンを用いて植物の茎の3Dボリュームを再構築し、水輸送に関与する木部管を自動同定した。

国立研究所は外部クラウドサービスではなく政府インフラ上で研究データやAIモデルを管理している。Metaのオープンソースアプローチにより、これらの機関は安全な計算環境内でモデルをダウンロード・微調整・デプロイできる。これにより、自然画像向けに訓練されたモデルを、科学分野へ適応させることが可能となった。

SYNAPS-Iプロジェクトでは60名の研究者が5つの国立研究所で連携し、AIがデータ処理を超えて仮説生成や次の実験の推奨を行う「インテリジェントな発見プラットフォーム」の実現を目指している。

発表元: https://ai.meta.com/blog/genesis-mission-lawrence-berkeley-national-laboratory-segment-anything-dino/