Amazon Web Servicesは2026年9月17日、Amazon SageMaker AIとAmazon Rekognitionを用いた合成データ拡張パイプラインを発表しました。この手法は、重機と作業員の接近といった、実世界のデータでは収集が困難な危険なシナリオを擬似的に生成するものです。
合成データによる検知精度の向上
Amazon Web Servicesが示した実験では、このパイプラインを用いることで、人物検知の指標であるmAP50(IoUしきい値0.5における平均精度)を最大160%向上させることができました。この成果は、手動によるアノテーションや、危険を伴う写真撮影を行うことなく達成されています。
従来の産業現場におけるAI学習では、重機や軌道上に人がいるといった「最も危険なシナリオ」のデータが不足しているという課題がありました。こうしたデータは、実際に撮影しようとすると安全面や倫理面の懸念があり、また発生頻度も低いため、自然に収集したデータセットでは極めて稀な存在となっています。
二段階の生成プロセス
今回の手法は、二段階のプロセスで構成されています。第一段階では、拡散モデル(Qwen-Image-Edit-2509)をAmazon SageMaker AI上で実行し、実写画像に合成された人物を挿入します。この際、背景の照明やスケールを維持したまま、危険な位置への配置を指示できます。
第二段階では、Amazon RekognitionのDetectLabels APIを使用して、挿入された人物に対してバウンディングボックスの注釈を自動で付与します。これにより、手動でのラベル付け作業を軽減しながら、学習用のデータを大規模に生成することが可能になります。
